有機野菜

有機野菜、無農薬野菜はどうして価格が高いの?

有機野菜、無農薬野菜はどうして価格が高いの? The price of organic vegetables

有機野菜や無農薬野菜は、安心だし美味しいけど、一般の野菜に比べて価格が高いというデメリットを感じてしまったことはありませんか?
有機野菜の価格が高いのはなぜか?ここではその理由について詳しく解説します。

有機野菜の価格が高い主な理由5選

①有機・無農薬の栽培では、虫の防除に手間がかかる

有機栽培(無農薬栽培)では、化学農薬を使わず、自然な方法で作物を育てます。そのため、害虫の防除に人力や特殊な方法が必要で、手間やコストが増加してしまいます
一般の栽培では、昔は、農家さんが農薬を背負って、散布していたのですが、現代では、ドローンで農薬を散布したり、自動走行の機械を使って農薬を散布できたりと、簡単で安価な方法が出てきました。
しかし、無農薬で野菜を育てようとすると、人の手での作業がメインとなります。野菜に病気や虫がつかないように、野菜にネットをかけたり、虫がついた葉を1つ1つ剪定したり、という手作業が沢山あります。
また、防ぎきれない病気が発生したり、大量の虫が発生してしまう場合には、その畑の作物が全滅してしまう、というケースもあります。

   有機野菜の収穫にんじん

②有機野菜は、収穫量が少なくなる場合がある
           

有機農業では化学肥料を使用しないため、収穫量が一般的な農業に比べて低くなることがあります。化学肥料は早い速度で野菜を成長させることができますが、有機野菜は自然に沿った栽培であり、作物の成長に長い時間がかかってしまうケースがあります。

農林水産省の2010年のデータによると、露地栽培で育てたにんじんの収量は、有機栽培の場合、慣行栽培に比べて25%少ないことがわかりました。

         有機野菜の収量

③土地の管理
          

有機農業では、除草において、除草剤を使わずに、基本的に手作業で行っています。
また、有機農業では、土壌の健康を維持するために土地の休耕が求められることがあります。土壌の消毒をするために、一般の農業では土壌に消毒剤を撒く、という方法もあります。しかし有機農業においては、その方法ができず、黒い資材で土壌を覆い、太陽の熱を集めて熱によって土壌の消毒を行うことがあります。その間、その畑では作物が育てられず、その分の収穫量が減ってしまいます。

農林水産省のデータ(2010年)によると、露地栽培のにんじんにおける除草時間では、有機栽培は慣行栽培の1.4倍の時間がかかっています

   有機野菜の除草時間

④認証のコスト
          

野菜を「有機」として販売するためには、有機認証を取得する必要があります。そのためには、定期的な監査を受ける必要があります。監査には費用がかかりますし、監査を受けるためにたくさんの書類を作成する手間がかかります。

有機認証

⑤輸送と保管
          

有機野菜は化学防腐剤や保存料を使用しないため、保存期間が短く、流通において特殊な取り扱いが求められます。例えば、柑橘類の場合には、収穫後にワックスやポストハーベスト(収穫後に使われる農薬)が使用されることがあります。(特に輸入の柑橘類には多くのものに使われています。)有機栽培では、これらの使用が禁止されているため、収穫後の長期間の保存・輸送ができません。
これにより、輸送コストや廃棄リスクが増加します。

  

まとめ

有機農業は1.3倍の労力がかかる上に、収量が25%減

①~⑤をまとめると、有機野菜の栽培では、慣行栽培に比べて、③の除草時間を含めた労働時間が合計1.3倍になり(農林水産省のデータ(2010年))、さらには、収量が25%も少ないということがわかっています。
これらの理由から、有機野菜の価格は通常の野菜よりも価格が高くなってしまいます。

しかし、人工的な薬品を使わずに自然な農法で育てられた有機野菜は、安心して食べることができます。
また、有機農業は自然環境への配慮がされた農法であることから、有機野菜を選択することは、未来の地球を守ることに繋がる、という側面もあります。
有機野菜は、通常の野菜よりも価格が高いというデメリットがあるものの、可能な範囲で有機野菜を食卓に取り入れると良いかもしれません。

   有機にんじんの収穫の様子







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