有機野菜
ゲルソン療法考え方を解説
ここでは、ゲルソン療法はどのような考え方に基づいて構築されているのか?ゲルソン療法によって、体ではどのような反応が起こるのか?について、ゲルソン療法のスペシャリストである氏家京子さんの講演会の内容の一部を抜粋してご紹介します。
身体が病気にかかりやすいとき、身体の中ではどのようなことが起こっているのでしょうか? では、その破壊されてむくんでしまった細胞を、ゲルソン療法ではどのように改善していくのでしょうか?ゲルソン療法とは?②
ゲルソン療法考え方を解説
Gerson therapy②
ゲルソン療法考え方を解説
(シャルロッテ・ゲルソン、ベータ・ビショップ著,氏家京子訳,ゲルソン療法~がんと慢性病のための食事療法~,2009/8/20)をもとに講演をしていただきました。
ゲルソン療法の考え方
病気を自然治癒する能力は誰にでも備わっているものです。しかし、この力は体がエネルギーに満ちた健康な状態でなければ発揮されにくくなります。力が発揮されないと体が弱って、病気になりやすくなります。
では、このエネルギーが不足するメカニズムとはどのようなものなのでしょうか?
メカニズム①
体に毒が蓄積されたり、栄養不足になっていたり、酸素供給の不足などがあると、身体の細胞は壊れてしまいます。
講演の中では、下記のように定義されていました。
毒の蓄積=添加物、環境汚染による浮遊物質、農薬、未消化の食べ物などが身体にたまってしまった状態
栄養不足=偏った食事、野菜不足などにより引き起こされる
酸素不足=酸素は赤血球が運んでいるが、血液がドロドロして赤血球がうまく動けないと細胞に酸素が行き届かなくなり、酸欠に陥る
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メカニズム②
健康な細胞には、水、ミネラルが沢山つまっていますが、損傷により流出していきます。すると、細胞には、細胞内と細胞外のナトリウム(Na)とカリウム(K)の濃度調節をするK-Naポンプというものがありますが、そこが破たんしてしまい、本来、細胞の外の濃度が高いはずのNaが細胞内に沢山入り込んできてしまいます。
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メカニズム③
Naには水を引き寄せる力があるので、細胞内に水を呼び込んで、細胞がむくんでしまう。細胞がむくむと細胞の力が落ちて、エネルギーが作られなくなります。
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メカニズム④
エネルギーが作られなくなると自然治癒力が発揮されずに病気になりやすくなる。
この症状は、がん患者さんの体や、疲れやすい方や、慢性病を持っている方の体に起こっている可能性があるのです。
ゲルソン療法によって体で起きる反応とは?
むくんで損傷している細胞を改善していくためには、まず細胞内からナトリウムを追い出し、通常どおり細胞内にカリウムが多い状態に戻す必要があります。そのためには、ナトリウムの摂取を制限して(→無塩食)、カリウムを大量に摂取します。
カリウムは、野菜や果物に沢山含まれています。野菜や果物をそのまま取り入れようとすると、お腹が膨れてしまい多くの量を摂ることができません。そのため、繊維を取り除いたジュースやスープ類を沢山摂りいれます。
野菜ジュースに含まれる高カリウムが、細胞内のナトリウムを積極的に押し出して、カリウムを細胞内に回復させます。
ナトリウムが排せつされていくと、ナトリウムに呼び込まれて細胞内に大量に入り込んだ水が細胞外へ出ていき、細胞のむくみがとれてエネルギーが回復します。
これは、ゲルソン療法とは?①でご紹介した、ゲルソン療法の食事法に合致しています。(無塩食の実践、毎日2リットル程度の野菜ジュースの摂取など。)
生野菜ジュースを飲み、体が浄化モードになって、溜まっていた毒が減ると、細胞のエネルギーが回復します。そうすることで、体の不調が時計の針を逆回しにするように、段階を経て消えていきます。このとき、老化進行に関係した症状も含めて消えていきます。
ゲルソン療法では、このように野菜や果物による身体の浄化を中心に据えて、自然療法のプログラムを組んでいます。